ゆめ恋。



「っていうか、声聞いてわかれよな」

「え、声…?」


なにそれ、どういう意味…?


「…お前バカ?
窓開けて話してたの、俺なんだけど」

「え!?」


う、うそ!!
…あ、でも確かに話し方とか、声とか
似てる…完全に、似てる…ってか一緒…

でもなんか、顔見ずに声だけだとすっごい落ち着いてるお兄さん感すごかったから…頭いい優しい大学生かなーくらいに思ってたのに…
まさかこんな不良くんだったとは…


「まぁそういうわけだから」

「……なんか、いろいろすみません
窓の向こう側から挨拶したり、さっきも思いっきり避けてしまったり…」

「俺の顔も見ないようにしてたり?」

「……っ、」

「バレバレ。
ってか隣の席で、こっちがあんだけ見てたのにこっち向かないとか、完全見ないようにしてるってわかるわ。
なに、男性恐怖症かなにか?クラスの男たちにもすっげーキョドってたし」

「い、いや…!そういうことではないんですが
なんか…緊張してるのと、慣れてないのと…」

「慣れてねーの?」

「前の学校の男子とは、全然違うタイプなので…」

「ふーん?そ。
まぁ女の転校生ってのにみんな盛り上がってるだけだし、最初だけの辛抱じゃん?」

「…どのくらいで収まるんですかね…」

「長くて1週間とか?
そんなに長くは続かねぇだろ」

「…1週間か…」


それでも、けっこう長く感じるよ…
もう明日には収まっててほしいんだけどな…



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