ゆめ恋。



土屋くんから、目線を元に戻すと
ちょうどエレベーターが18階へと到着した。

そこから歩いていくと、土屋くんは本当にうちの隣のドアに鍵を差し込んでいた。


「じゃあな」


たったそれだけ言って、先に中に入っていった。
うちは土屋くんちのドアを過ぎ、角を曲がってすぐのドア。

徒歩にして7、8歩。
すぐそこの玄関を開けた。


「……ただいま」

「あ、おかえり!学校どうだった!?」


リビングに入ると、奥のキッチンでお母さんがお昼ご飯の支度をしてくれていた。
この匂いは…肉じゃが?お昼から…?


「……うん、まぁ。
1人とはまともに喋れたかな…?」

「そう、よかったじゃない!」


…1人、なんて
土屋くんだけだけど…

しかもまともって言うほど話してもないけど…
本当に1分とかそんなもんなんだけどね…


「ご飯、なに?」

「あ、冷やし中華よ!
今日も暑かったでしょ?」

「ほんと!?やったー。外すっごい暑いよ!
着替えてくる!」


私はすぐに部屋に向かった。
閉めっぱなしだと蒸されるかなと思って少しだけ開けていた窓。

…いつもここで話してたのが土屋くん、かぁ…
なんか変な感じ…


っていうか、私結局お礼言えてないじゃん!!
言おう言おうとして、結局言えない…あるあるパターン…

明日こそ、会ったらちゃんと言わないと…



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