ゆめ恋。
お昼の後片付けをして、お母さんはすぐに出かけて行った。
引っ越してきてすぐ美容院を予約したとかで、やっと予約の日だって…やっぱり東京は人が多い分、そういうのもすぐ予約とれないんだなぁ…
私はお母さんとの約束通り、肉じゃがが冷めたのを確認して、お母さんに言われた通り用意されたタッパーがいっぱいになるくらい肉じゃがを詰めて、土屋くんちへと向かった。
────ピンポーン、
…なんか、エントランスじゃなくて玄関のインターホン押すの緊張するや…
『…はい』
・・・ん?
え、この声、土屋くん…?
「あ、都築ですけど…」
『あー、開ける』
それだけでインターホンは切れて、数秒してドアが開かれた。
「肉じゃが?」
ドアが開いて、土屋くんの一言目はそれだった。
「え、うん。
よくわかったね?」
「さっき母さんが言ってたから。
お前に会いたがってたけど、なんか仕事でトラブったらしくて俺帰ってきてすぐ出かけてったし」
「あ、そうなんだ。
…これ、どうぞ」
「サンキュ。
…ってかお前、飯炊ける?」
「え?まぁ…炊飯器でなら…なんで?」
「母さんが、米炊いとけって言って出てったけど、俺使ったことねぇから
暇ならちょっと米炊いてってくんない?」
・・・はい?
え、お母さま
使ったことない男子高校生に、米炊いといてって頼んじゃダメじゃないでしょうか?ねぇ。
…まぁ。簡単だから誰でもできるっておもうのかもしれないけど、それにしたってさ…