ゆめ恋。



「…あの、土屋くん」

「ん?」

「今日、ありがと」

「…なにが?」

「あの、男子たちに囲まれて困ってたのを助けてくれたり…」

「あー、別に。
ってか俺の席の周りに群がられんの、うざいし」

「でも、それでも助かったし!
…あと、引っ越してきてから、窓越しだけど、挨拶に応えてくれたり…」

「あー、あれはちょっと面白かっただけ」

「え!?」

「お前の声、でかいからな。
結構聞こえてた。窓がお互い開いてるときは、だけど」


う、そー…

なにそれ、めっちゃ恥ずかしい…


「でもまぁ、別に俺も楽しんでたとこあるし、礼言われるようなことじゃねぇよ」


土屋くんはそういって、さらっと笑った。


「そ、そっか」


その笑顔に、不覚にもドキッとした。
…だってやっぱりイケメンなんだもん!!
最初の頃は見ないようにしてたけど、見れば見るほどイケメン…!!

きりっとした眉が似合いすぎだし、きれいな奥二重の大きな目、しゅっと通った鼻筋…
先生には怒られてたけど、色素の薄い、明るいミルクティー色の髪の毛が本当にすっごい似合ってる!!



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