ゆめ恋。



翌日、私の目覚めはすごくよかった。


LINEの友達リストに”土屋一樹”が増えて
なにか反応があったわけではないし、こちらから送ったりもしていないんだけど
でもなんか、新しい友達が増えるって、やっぱり気分がいいや。


「おっはよー!」

「あら、綾那おはよ。
今日はいつもより早いんじゃない?」

「ふふ、なんか目が覚めちゃって」


まだ6時。
暑い夏でも、部屋の窓を開けたらひんやりとした気持ちのいい風が入ってきて、つくづく高層マンションはいいなぁなんて思わされた。

……窓、土屋くんも開けてないかな。


「…お母さん、ご飯できたら呼んでね」

「はいはい」


私はそれだけ言って、着替えもしないとだし顔だけ洗って部屋へと戻った。


気持ちのいい風が吹き込む窓に、少し顔を出して

「…おはよ」

この空気に、挨拶をした。


……でも、それに帰ってくる声は聞こえない。


「…まだ寝てるか」


さすがにまだ早すぎ、だよね…


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