ゆめ恋。
里穂との電話を切ってリビングに向かうと、お母さんはキッチンに立って夕食の支度をしていた。
「あ、綾那悪いんだけど
油切らしちゃって…買ってきてくれない?」
「えー、私ー?」
「今こっち目が離せないのよー。
あ、そうだ
これ、あげるから。お願い!」
お母さんはそういって手を拭いてから、なにかを持ってこっちにきた。
「なにこれ」
「遊園地の招待券。
このマンション買ったとき、不動産屋さんからもらったの。
2枚あるから、誰か友達誘って行ってらっしゃい?」
…2枚、かぁ
「あ、あとこれお金。
油、お願いね」
「…決定なのね」
「だってご飯食べられないの、嫌でしょ?
今日はエビフライの予定だからお願い」
「・・・はいはい」
仕方ない、行くか。
エビフライのためだね!!