ゆめ恋。
私はお母さんのお財布を握りしめて
さっきの遊園地の招待券はポケットにしまい
制服姿のまま、夕方でまだ明るいうちにスーパーへと向かい、いつもの油を買って帰路についた。
なんだかんだ片道10分くらいかかるし、自転車があったら便利なのにな…
自転車くらい買ってくれればいいのにな。
っていうか、静岡から持ってくればよかったのに。
「あれ、綾那?」
名前を呼ばれ、路地の方を見ると
「あ、一樹」
一樹が歩いていた。
「なにやってんだよ」
「え、おつかいでスーパー行ってただけだけど。
一樹こそ何してんの?そんなところから出てきて」
「別に。慧とゲーセンいった帰り」
「へー。思ったより帰り早いんだね」
「まぁな」
慧とゲーセンか。
確かに2人で帰ってたね。仲よしだなぁ。
「そういや、めぐとまいのことだけど」
「うん?」
「あれ、2人とも慧の元カノだから」
「え!?2人とも!?」
「そ。まぁだからなんだって話だけど」
「へー…」
なんか、すごいな…
どっちが先かは知らないけど、でも友達と付き合ってた人と付き合うわけでしょ?
それもそれですごい話だなぁ…