ゆめ恋。
***
翌日、私は朝から廊下にいた。
「本当にゴメン」
「…ううん、一樹くんがそういうなら仕方ないよ。
こっちこそ、変なこと頼んでゴメンね?」
ちさちゃんに、一樹からの伝言を伝えた。けど
思ったよりもずっとあっさりしていた。
もっとしつこかったらどうしようかと思ったけど…やっぱり優しいちさちゃんのままだった。
「あ、ううん
それは全然いいんだけど…
…もしかして、ちさちゃんて一樹のこと好きなの…?」
って、私どんだけ直球で聞いてるんだ!!
しかも再会した翌日に…
「…うん。
中学入ったころから、ずっと好きなんだ」
やっぱ、そうだよね。
じゃなきゃ、付き合ってるとか噂流れないもんね…
もしかしたら、2人の仲がいいから、ちさちゃんの友達が勘違いして、それに尾びれがついて広まっちゃっただけかもだしね。
「…なんか、聞いといてなんにも協力できそうになくて、ごめんね」
「ううん、それは全然いいよ!
私ももう少し頑張ってみればいいだけだから!」
ちさちゃんはそういって、笑顔で教室に戻っていった。
…なんか、みんなが言うような感じ、しないけどなぁ…
話してても普通に昔と一緒…とまではいかないけど、話してて違和感は全然ないんだけど…
「おう、お疲れ」
「わぁっ…!!
…て、一樹!驚かせないでよ!」
「別に驚かせたつもりはねぇけど。
階段上がってきたらお前ら話してるの見えたから、終わるの待ってたんだよ」
「あ、そか。
なんかあっさり納得してくれたよ。よかったー」
「…あいつがねぇ。
まぁなんでもいいけど」
一樹はそういって、私の手にパックのリンゴジュースを置いた。
「え、なにこれ」
「ん?一応迷惑かけたから」
ってことは、お礼…?
なんだ、気にかけてくれてたんだ。
「ありがと!」
「おう、こちらこそ」