ゆめ恋。



「綾那、次行こうぜ」

「あ、うん!」


私はまた、一樹と次のジェットコースターへと向かった。


「なんか、やっぱりカップル多いなー」

「まぁ遊園地だしな」


カップルかぁ。
私には夢のまた夢って感じ。

一樹なんてこんなかっこいいのに、彼女できたことないとか本当変わってるというか、なんというか…
あ、好きな人がいたり…するのかな?

でも…一樹に彼女とかできたらやだなぁ…
こうやって2人で遊びにくることも、部屋で話したりすることもできなくなるだろうしなぁ…


「綾那ってさ、慧のことどう思う?」

「え、慧?んー、
にぎやかでムードメーカーだし、見た目ヤンチャだけど
思ったより優しくて、まっすぐな人?」

「いやそういうことじゃないんだけど」

「え?」

「異性として、だよ」

「あー、そういうの?
どうだろー、考えたことないや。意識してないかも」

「…綾那って異性とか意識しないやつだもんな:

「うん、そうかも。
昔からあんまり恋とかもしてこなかったし」


彼氏ができたこともないし、好きな人も全然…
昔、本当に昔、小さいころに好きな人がいたとかはあったけど…

あ、小学生の頃も好きになった人いたな、そういえば。


でもなんか、中学の時も高校の時もそういう恋愛系に疎かったから…なんかめっちゃ置いてかれた感あったんだよね…


「ってかなんで慧?」

「え、慧が綾那に気があるから?」

「えー?あれって絶対本気じゃないから」

「…まぁ、なんでもいいんだけど」


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