ゆめ恋。



次のアトラクションへ向かう途中、すれ違う人はカップルばかりだった。
幸せそうに手をつないで楽しそうに会話をしながら歩く人に、無言で歩いてるだけの人、ちょっと言い合いになってる人、言い合いになりつつもじゃれあってる人

仲の良い時間もあれば、ケンカしちゃう時間もあって。
そんな日々がきっと楽しいんだろうなぁ…


「綾那?どうした?」

「ん?みんな楽しそうだなぁって思って」

「え、綾那は楽しくねぇの?」

「いや楽しいけど!そういう意味じゃなくて!」

「は?意味わかんね」


…ってか、私らも他人から見たらこれもじゃれあってるように見えんのかな…
そう考えたら、カップルだと思ってたけどみんな実は友達同士だったりすんのかな…?

…人間、奥深いなぁ。


「ねぇねぇ、一樹」

「なに」

「ちさちゃんって一樹のこと好きなのかな」

「はぁ?俺に聞くなよ」

「前はよく2人で喋ったりしてた?」

「まぁ、仲良かった頃はな」

「ふーん」



んじゃ、やっぱり傍から見たら付き合ってるように見えてたのかもな。
私が、他人を見て勝手にカップルだと思い込んでたみたいに…

だったら、噂だってちさちゃんが流したかどうかなんて、わからないよね。


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