ゆめ恋。



・・・ってか、ちょっと待て?
もしちさちゃんが一樹のこと好きだったら、私ちさちゃんが一樹のこと好きって知ってながら一樹とこんなとこ来てるの、まずくないか…?

今も友達…って言っていいかわからないけど、でも昔は間違いなく一番の友達だった。親友だった。
そんなちさちゃんの好きな人と、2人きりで遊園地来てて…


…これ、バレたらちさちゃんに怒られそうなやつだよね、絶対…


「綾那、お化け屋敷入るか」

「は!?絶対やだよ!」

「お前全部乗りたいとか言ってたじゃねぇか」

「乗り物だけだよ!」

「いいじゃん、入るぞ」

「勝手に決めるな!!」


……ま、今は楽しいし、そんなこと気にしないで楽しもっと。
せっかく来れたんだし。やましいことなんて何もないしね。


「ちょ、ちょ……」

「ったく、仕方ねぇな
ほら、掴まれよ」

「遠慮なく!!」


私は、差し出された一樹の腕をがっつり掴んで、抱きしめて
意を決して、お化け屋敷へと突入した。


「…お前も黙ってりゃ可愛いのに」

「黙ってりゃって余計」


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