ゆめ恋。



「だから俺も付き合ってんのかなー?って思ったわけよ。
だってこれ夜じゃん?」

「…なんか、隠し撮りとか気分悪」

「まぁ一樹って人気あるし、ある程度は仕方ないんじゃん?」

「え、そんな人気あるの?」

「そりゃもう!この学校で一番ってくらい、一樹は人気よ。
あの見た目だし、けっこういいやつなのみんな知ってるしさ。
めんどくさそうにしてて、体育祭とかサラッとリレー最終走者で走っちゃうし、頭もいいしさ」

「え、頭いいの?」

「あー、綾那ちゃんは知らないのか。
もうすぐテストだからどうせわかることだけど、あいつ学年1位だよ」

「え!?」

「しかもずっと。
あんないかにも頭悪そうなやつなのに」

「…信じられない」

「同感」


あれが…学年トップ…
だから一応1回注意されてたけど、あの金髪でもそのまま学校来てあれからなにも言われないのか…

この学校のレベルをまだ正確には知らないけど、でも6大学に毎年合格者を複数人出してるって時点で結構なレベルなはずなのに…
ってことはあいつ、もしかして東大とか目指してたり…


「まぁそういうことだから
あいつにはモテ要素がいっぱいなわけよ」

「…それで彼女作らないどころか女子と話さないとかもったいな」

「同感」


…あ、そか
そういうモテ要素が多いから、いちいち利益求めるやつが多く寄ってくるのか…
だから全員拒否ってるのかな、あいつは…

でも、私はそういうのをなにも知らないから、空っぽの私だったから、一樹は私と仲よくしてくれてるのかな…



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