ゆめ恋。
今日の体育は予定通り、男女共に10分間の持久走。10分間走は前の学校でも、中学時代にもあったから、どこの学校も共通なのかなぁ?
準備体操後、クラスごと男女でペアを作って男子から走ることになった。
クラスの男女でペアなんで
普通に、席の隣同士でペアになることになり
「…また一樹」
「なんだよ、不満なのかよ」
私のペアはまーた一樹。
なんか私、一樹と関わりありすぎじゃない?
常に一緒にいる気がするんだけど。
「…まぁ、気が楽でいいんだけどさ」
「俺もお前で楽だわ」
ってか、めぐとまいのペアの人はどうするんだろ。
思いっきり3軍みたいな男子なんだけど…誰かに頼むのかな?
「ってか今日綾那も掃除手伝ってけよ」
「え、なんで」
「俺だけだと帰んの遅くなんじゃん」
「知らないよ、そんなの」
「飯炊くの遅くなんじゃん」
「それも知ったこっちゃないよ」
「どうせ俺んち来るんだから一緒に帰ればいいじゃねぇか」
・・・なんだ、それ。
結局私を誘ってんのかい。わかりにくいな。
「…もう、一緒に帰りたいならそう言ってよね」
「なんなんだその俺がお前と帰りたい的なやつ」
「え、そうでしょ?」
そう聞いても、一樹は私に冷めた目を向けて、慧のところに行った。
まぁ、なんだかんだ一緒にいて楽しいんだけどね。
男子の走るのが始まるから、一樹が何周走るか数えるために私も他の女子たちみたいにスタート地点で座った。