ゆめ恋。
「あやちゃん」
「あ、ちさちゃん」
座ってすぐ、ちさちゃんが私の横に座った。
今日のちさちゃんも安定の可愛さ。
私なんて、これから走るというのに髪の毛を結ぶこともできずに髪の毛バサバサしながら走らなきゃいけないのか…
「噂で聞いたんだけど…
あやちゃんって、一樹くんと付き合ってるの…?」
「え、付き合ってないよ!?」
な、なぜそんなことに…!?
「そ、っかぁー…
…あのね、私一樹くんのことが好きなんだ」
・・・うん、そうだろうね。
じゃなきゃそんなこと聞かないもんね。
前から思ってたよ?うん。
やっぱ好きなんだよね。
「…そうなんだ」
でもだからなんだっていう話なんだけども。私からしたら。
「でね、あやちゃん一樹くんと仲がいいみたいだし、その…
うまくいくように、協力…とかしてくれない…かな?」
「え、協力?…って、あやちゃんと一樹が付き合えるようにってこと…?」
「あ、そこまでじゃないよ!?
ただ、また仲良くできるきっかけがほしいなーって…」
仲良くなれる、か…
いやでもそんなこと私にできない…し
絶対に一樹は嫌がるよね…
あの言いようじゃ、絶対にちさちゃんとまた仲良くする気なんてないもん…
「…ごめん、私にはむりだと思う」
そんなこと引き受けても、絶対になにもできない。
一樹にも、ちさちゃんにも嫌な思いをさせるだけだもん。