ゆめ恋。
「なんか夢でもさ、イケメンが出てくるとテンション上がらない?」
「あー、まぁわかるけど
でも現実じゃないんだなぁって起きたらがっかりしない?」
「あ、確かに。
起きたとき、ちょっとショックっていうか
現実はそんな甘くないよなって思った」
本当、現実はそんなに甘くないんだよね。
あんまりイケメンと出会えることないし、近くにいても仲良くなることもないしね…
それから私たちはカフェを出て帰宅した。
今日は里穂の塾の日ってこともあって、夕方には帰らなきゃで…
引っ越すまでにまた会えるのかわからないのに、涙もなく、普通に、いつも通り別れた。
まだ、そんなに実感はないのかもしれない。
だってずっと一緒だったから…もう一緒にあの教室でご飯食べたりしないんだとか、なんか想像がまだできないんだよね…
家に帰ったらお母さんがせっせと荷造りしていて
私の部屋にももう段ボールが何個か置かれていた。
「荷造り、早くしちゃうのよ?」
「はーい」
引っ越すまであと7日か…
教科書とかはいらないのかな
この制服はどうするんだろう
もうジャージとかはさすがに使わないよね…
持ってくものって、結局服とか化粧品とか…
こう考えたら、なんかあんまり物がないや…