ゆめ恋。
「ってかそれ、むしろ好きになんない?普通に」
「えー?」
「隣にイケメン住んでて、しかも仲良くて
普通好きになんない?」
「い、いやいやいや…」
「逆にさ、一樹の方が綾那のこと好きだったりして」
「は!?いやいやいや!」
「あ、でもそれありえるー。
だって隣に可愛い女が引っ越してきたら意識するっしょー」
「…あの、私の声届いてますかー」
「綾那ってぱっと見ちょっとか弱そうだし」
「ぱっと見ってなんなの、ぱっと見って」
「こういう女が一樹好きだったりして」
・・・ねぇ。
私の声、届いてますか?
2人だけで盛り上がってますけど…
ってかこんないかにも2軍女子を、あんなクラスのボスみたいな金髪が惚れるかぁ?それこそちょっと漫画の世界じゃない…?
現実ありえないってー…
「見た目はか弱いけど中身は強いからなー綾那は」
「はは、そうそう。
うちらにもそうだけど、慧にも一樹にも強気だもんねー」
「…そういえば、この前一樹にも喋んなきゃ可愛いって言われたっけ」
「あはは、喋んなきゃって」
喋んなきゃってなんなのよ、喋んなきゃって。
喋ったらブスなのか、私は!!
「ま、一樹のこと好きになったら教えてよねー」
「…好きに、ねぇ…」
私にはなんか無縁な世界な気が…
もう恋とか何年してないのって感じ。
…そういえば昔は、ちょっと意識しただけですぐ好きになったりしたっけ。
逆に意識しなきゃずっと友達。
高校に入ってからは男子と話す機会もほとんどなかったしなぁ…