ゆめ恋。
「あ、綾那―」
「今日うちらこれからカラオケでも行こうと思うんだけど、綾那も行かない?」
トイレに行こうと廊下に出ると、もうすでにカバンを持っためぐとまいが私を追いかけて後ろからついてきた。
「あー、ごめん。
今日一樹に頼まれて掃除当番手伝うんだー」
「おぉ、さすが」
「なんかもう嫁って勢い」
「いやいや、なんなのそれ」
「ってか別にそれ終わったあとでもいいよ?
うちらも手伝うし」
「あー、ううん
それが今日一樹に家来いって言われてて」
「え!?」
「さすが嫁!!もうレベル違うな!!」
「い、いやいやいや
他の人誤解するからそれやめてよね」
「はいはい、わかりましたー」
「やっぱ一樹にはうちらも敵わないし?
大人しく2人でカラオケ行きますかー」
「ごめんね?また誘って―」
「おっけー」
2人はそう言って私に手を振って帰っていった、けど
嫁って。もう好きとかいろんなこと飛び越えすぎでしょ。
…でも、恋ってよりもう夫婦愛みたいな方がもしかしたら近いかも。
米炊いたり、ご飯作ったり…あ、朝も私が起こしてるんだった。
・・・やっぱり、私はあいつの母だ。嫁じゃない。