ゆめ恋。



***


「悪かったって」

「もう、本当心臓に悪かったんだから」

「まさか綾那があんな反応するなんて思ってなかったけど」

「う、うるさいよ!
私は慣れてないんだから仕方ないじゃん!」

「俺だってあんなん初めてやったわ」


掃除も終わり、私たちは一緒に帰っていた。
あのあと、私が怒ったおかげで掃除もあっという間に終わってね。


「……初めてでよくあれやれるよね」

「まぁ、綾那なら適当に流すだろうなーと思って。
そしたら本気で照れてて、あー女なんだなーって思ったわ」

「普通に前から常に女でしたけど」


まったく…。でも、あれは本当にびっくりしたし、めちゃくちゃ近くてドッキドキだった。あんなドキドキしたの、人生で初めてかもしれない…

ああいう距離感、一樹とは絶対にないと思ってたから…もう、戸惑いしかなかったんだもん。


「…ってか、なんで私のこと女に見えないの」

「んー、強いて言うなら強いから?」

「・・・はぁ?」

「いじめてもへこたれなさそう。
なんだかんだ男にとって女ってか弱くて守りたくなるようなもんじゃん?」

「…あ、そ」


強いって。別に強いわけじゃないんだけど。
ただのキャラなんだけどな。まったく…

…かよわい、か。
じゃあ一樹の彼女になる人は女の子らしい人なのかな。
結局そういう子が男は好きってことか


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