僕が監禁されたのは、幽霊の館でした
「そりゃ、健に憑いてた霊を全部払ったからね。さぁ、行くよ。約束通り、コーラ忘れないでよ」

僕はカバンを肩にかけると、健に背中を向けて歩き始めた。



「あ!悠真くん、健くん。おはよー」

教室に入ると、クラスメイトの美咲(みさき)が話しかけてくる。

「おはよう」

僕と健は、美咲に挨拶をした。

「美咲ちゃん、何で悠真くんに話しかけてるんだろ?悠真くんってさ、気持ち悪いよね。1人で喋ってるしさー……」

僕から離れた所で、クラスメイトが話してるのが聞こえてきた。

「……っ」

僕は霊感が強いから、こうやって気持ち悪がられるんだよね。



あれから1か月。

僕が動く度に、ジャラリと鎖が音を立てる。突然、僕は意識を失って、気が付いたら暗い部屋に監禁されてた。監禁したのは……。

ガチャりとドアが開く音がする。そこから姿を現したのは、美咲だった。

そう。僕を監禁したのは、美咲。美咲は、僕の推測だけど、悪霊に取り憑かれてる。

「おはよう。愛おしの悠真くん」

光の灯ってない目で、美咲は笑った。怖い、そう思っても声には出せないんだ。

「……」

頑張って、口を動かす。僕は、監禁されてから声を出せなくなってしまったんだ。
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