僕が監禁されたのは、幽霊の館でした
「ん?『早く帰らせて』?帰すわけないよ。大丈夫。悠真くんは、行方不明ってことになってるからさ」

ニコリと笑う美咲に、ゾッとした。

「じゃあ、私は学校に行ってくるから、大人しくしてるんだよ?」

僕にキスをして、美咲は部屋を出る。それを確認してから、鎖を引っ張ってみた。

……やっぱ、無理かぁ。怖い……もうヤダ。誰か、助けて……。

ぼろぼろと涙が溢れてくる。僕は、その場で蹲った。

『……そんなに助けて欲しいなら、手伝ってあげるよ?陰陽師の息子くん』

誰かの声が聞こえて、僕は顔を上げる。半透明の男の子がふわふわと浮かんでた。

『き、み、は?』

必死に口を動かして、霊の男の子に問いかける。

『やっぱ、僕の姿が見えるんだ~。僕は、紅太(こうた)。君のお父さんの友達だったんだよ。ビックリしたでしょ』

僕は、驚くしたことしか出来ない。父さんの友達……?

『……数年前に、事故でぽっくり行っちゃって……。話は変わるけど……この家には、色んな霊が住んでる館なんだ。僕みたいな霊から、悪霊から……美咲は、霊感が無いから知らないだろうけど。君、運動は得意?』

突然の紅太さんの問いかけに、僕は頷いた。

『オッケー!じゃあ、失礼するよ』

そう言って、紅太さんは僕の中に入る。……え?え?
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