僕が監禁されたのは、幽霊の館でした
ニヤリと美咲は笑った。ゾクリと体が震える。それを堪えて、僕は美咲を見据えた。

「……あ!そうだ。悠真くんにプレゼント!」

そう言って、美咲はポケットから何かを取り出して、僕に向かって投げる。反射的に、僕はそれを受け取った。キーホルダー……?

……え?血……?

受け取ったキーホルダーには、大量の血がベッタリと付いてる。

「……っ!」

血の付いてない部分には、見覚えのある文字が掘られてた。

「これって……」

「そうだよ?それ、健くんのやつ!悠真くんに近づく邪魔者は、排除しなきゃ……」

「……っ」

健が……殺、された……?嘘だ……嘘だ……。

「嘘じゃないよ。健くんの家に行って、確認してきな」

冷たく言う美咲の声に、僕はその場に座り込む。だって……美咲の肩には、半透明の健が乗ってるんだもん。

『……酷い……どうして、そんなことを……』

紅太さんの声が聞こえた。僕は、近くに転がってたナイフを拾い上げる。

「……ユルサナイ。ユルサナイっ!!」

『悠真くん!!』

紅太さんは僕から出ると、僕の名前を叫んだ。僕は、近くにあったぬいぐるみを切り刻む。

「うぅ……わぁぁぁっ!!」

叫びながら、何度も何度もぬいぐるみにナイフを突き刺した。
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