狼くんとの放課後図書室
私は別になにも発することなく本にまた目をうつす。
「ねえ、お疲れとかくらいいわない?」
目は合わないけど私にかけられた言葉。
「あ、うん!お疲れ!」
精一杯笑顔でそういう私。
「おつかれ」
そして沈黙。
まあ、私は楽しく暴走族の総長とラブラブしてるんだけどねー。
うわー。壁ドン!!♡
いいないいなー。本の世界って現実では100%
あり得ない恋を実現させてくれるからいいのよ!
「ふーん、お前もやっぱ壁ドンとか憧れるんだ」
「え!?」
急に横から声が聞こえる。
楽しい楽しい本の世界から一気に現実に戻る。
驚いた衝撃でパイプ椅子からおちそうになる。
「っぶね」
私の腰を柳瀬くんが支えてくれる。
「あ、ありがと///」
急いで離れて私はまた深く座る。
「って、なんでそんなことを知って、!」