狼くんとの放課後図書室
「ほら早くリボンしなよ。誰か来たらどーすんの」
雑に私に差し出されたリボン。
「あ、ああうん。」
【ガラガラガラガラ】
リボンを付けていると、図書室のドアが開く。
放課後に図書室に人が来るなんて珍しいな。
隣のクラスの女子2人が入ってくる。
あーあ、女の子って感じのこのキャピキャピした空気。
私の大っ嫌いなこの空気。
「え!詩優くんじゃん!♡」
ポニーテールの1人の女の子が柳瀬くんに近づく。
少し睨み気味に柳瀬くんはその子を見る。
「だれ?」
うわー、きっつ。
でも、この美人たちは怯まない。
「やっだー!詩優くんは学年の有名人だよ!?こんなイケメンくん私たちが把握してないわけないじゃん!♡」
「何しにきたの?」
「今テニス部終わったから、詩優くんに会いに来たんだけど」