狼くんとの放課後図書室



「ようないななら帰ってくんない?邪魔」





もはや目も見ずに冷たい言葉だけをかける柳瀬くん。





「ちょ、柳瀬くんそれはいいすぎ、」





柳瀬くんにそう言ったとき、わたしは確かに強い視線を感じた。





「あなたは誰?」





その女の子のターゲットが私にうつる。






あーあ、その笑顔の裏は女子なら誰が見てもわかるぞ?






「えっと、なんかたまたま図書委員一緒になっ
 たクラスメイトです!あはは」






私はいつもの満面の笑顔で敵対心をなくすようにする。






「へー!じゃあそれ以上の関係ではないってこと
 だよね?」





「そ、それ以上?」って





顔が熱くなる。





ほんとこの赤面症どうにかしたいよお。






「ないないないない!!ないですよ(笑)」




ブンブンと手を振り回す。私、なにやってんだろ





「そっかー!あはは!やば!そろそろ行かないと先輩たちきちゃうよ!」






一人の女の子が友達に言う。



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