狼くんとの放課後図書室


「じゃあねー詩優くん!♡」






両手で柳瀬くんに向けて可愛く手を振る女の子。






それを見ずにもう本を読んでいる柳瀬くん。






わ、私はガン無視なわけね(笑)





「私たちもそろそろ帰る準備しよっか!」





ヨイショと立ち上がるわたしに声が降りかかる。






「なあ」





少し沈黙が走る。
  




勘が働く私ならわかる。





なにか、良からぬことを言おうとしている。





"「俺たちって付き合ってる?」"





うん。どんな質問って感じだよね。





普通付き合うっていうのはお互いが好きでお互いが100%知ってる事実なのに。





私達の場合は。





「わからない。」

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