狼くんとの放課後図書室



「私はただ止めて欲しいとかじゃなくてその、ちょっと世間話しただけだし!どうしてそういう風な答え方しかできないかな?」





少し怒り口調でそういうわたし。






「ふっクラスでもそうやって自分ちゃんと出せばいいのに(笑)」






馬鹿にしているような顔でわたしをみる柳瀬くん。






「無理して笑ってるのバレバレ。鈴村はもったいないよほんと。損してる。」





いつか言われたこの言葉。






「べ、別に無理してないし」





「井口(奏)たちは多分本気で笹野と仲良くなりたいと思ってるんじゃないの?」





「え?」





急にポーカーフェイスに戻る柳瀬くん。





いや、これは真剣な顔なのかな?
   




「鈴村も心開けばいいのに」


 


そうはいっても、怖くて。自分なんか出せなよ。
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