狼くんとの放課後図書室
ぶつかった多分先輩かな?
私を前の女の先輩が押してきて誰かにぶつかったわけだけど…。
女の先輩はどうやら気付いてないらしい。
まあこんなに人がいればそうか、
「大丈夫?」
ネクタイが私の顔の前にぶら下がって、私に手を差し出される。
ゆっくり顔を上げると、そこには高身長の茶色がかった髪で少しウェーブのかかった凄いイケメンな人がいた。
私はその人に見惚れてしまう。
かっこいい…、
これをイケメン王子と言わずになにに例えるのだろうか。
「えっとー?君お名前なんていうの?」
優しく首を傾げて聞いてくれる先輩。
「え?あ!私は鈴村 雫良と申します!」
「も、申しますって(笑)俺は、高野侑里
(たかの ゆうり)よろしくね」
この笑顔の破壊力といったら…、
「は、はい」
「え?あれ侑里くんだよね?なんであのメイクもしてない地味女と一緒にいるわけ?」
女子たちの会話が聞こえてくる。