狼くんとの放課後図書室
私はリュックから化学のノートを出す。
なにこれ、最外殻電子…?価電子……?なにが違うのよ。
あ、私の隣には学年トップがいるではないか!
何のための図書委員よ!!(本を貸すため。)
と、心の中でガッツポーズが繰り広げられる。
「柳瀬くん、あのー最外殻電子と価電子の違い教えてくれない?」
今度は視線は動かさず、言葉だけが送られてくる。
「むり」
は?
「え?なんで教えてくれないの?」
「逆になんで教えないといけないわけ?」
こ、この人って人はほんっとに大っ嫌いだ!
この人を好きって言うこの学校中の女の子たちにこの意地悪さをわからせてあげたいー!!!
「やなせくっ」
【ガラガラ】
誰か来たのか、って
「高野先輩⁉︎」
「お!雫良ちゃん!」
多分部活中であろう高野先輩がどうしてここに?
「高野先輩どうしてここにいるんですか!」
私はカウンターから体を出す。
「今日早く部活終わったから!そう!それでよかったは一緒に帰らないかな?って」