狼くんとの放課後図書室


「え?私とですか⁉︎」





「うん!」





汗を拭きながら笑顔で答えてくれる先輩。





「あ、でも私まだ」





「帰っていいよ」





柳瀬くんは本から目を離さずにそう言う。





「え?いいの?」




「お前いてもなんも変わんねえし」





「なっ!」




「酷い人だねえ…じゃあーお言葉に甘えちゃって!行こうか雫良ちゃん!」






一瞬だけ柳瀬くんが高野先輩を睨んだきがしたけどー…高野先輩はみてないみたい。





よかったー。





2人でバス停に向かって夕方の帰り道を歩く。





あー誰にも見られませんように…。





「ねえ、雫良ちゃん」





「はい!」





「今…なんていうかー、噂が流れてるじゃん?」






どんな顔すればいいかわからず、とりあえず下を向く。





「あのう、はい。すいません私なんかと」




本当に申し訳ないなー。




「そうじゃなくってー…その、ちゃんと付き合わない?」





「え?」




頭をかきながら顔を赤くしている先輩。



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