狼くんとの放課後図書室
「前髪可愛いよ。」
「わ、私なんかでいいならっよろしくお願いしま
す!」
私がこの、この地味な私がこの生徒会長とっ⁉︎
「よかったー!じゃあ、俺ここからチャリだからまた明日!」
手を振る先輩。私も手を振り返す。
た、高野先輩の彼女になっちゃったよー!
次の日もその次の日も、私の前髪は上がっている。
ゆりたちにメイクを教えてもらって、少しずつでも頑張って可愛くなろうとした。
放課後の図書室は沈黙沈黙。ひたすら沈黙。
帰り道は先輩と少しの時間を過ごした。
そんな日常は繰り返され、時は9月になった。
先輩は受験があるから夏休みは一回も会えなかった。
けど、付き合っているという事実があるだけで私の心は満たされていた。
二学期が始まって初めてわたしは教室に入る。
ゆりたちが私に今日も話しかけてくれる。