狼くんとの放課後図書室


「き、今日さ。私も鍵戻しにいくのついていって
もいいかな?」





「は?」





私を怪しむ目で見る柳瀬くん。





「別にいいけど」





私たちは職員室の方へむかう。





「お!詩優くんじゃん!」





後ろから男の人の声が聞こえる。





「あ、先輩。お疲れ様です」





笑顔でそう答える柳瀬くん。バスケの先輩かな?




「来週の月曜日から入れるよな?もう膝治ったか?」





「はい」




「よかったー、詩優くんにはほんと期待してるから!」





柳瀬くんの肩を叩いて去っていく先輩。





「聞いていた通り、俺明後日で委員会最後だから」





「え?怪我って?」





「中学の時にちょっと怪我しただけ。」





明後日で最後って⁇状況が理解できない。





「じゃあな!」





片手を上げて帰っていく柳瀬くん。





わたしはしばらくそこから動けなかったんだ。


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