狼くんとの放課後図書室
どうしよう……。
放課後、私はもしかしたら最後かもしれない柳瀬くんとの時間を過ごすために図書室へ向かう。
【ガラガラ】
「おつかれ」
推理小説を読みながら私に挨拶をしてくれる柳瀬くん。
「お、おつかれ!」
あー、なんか最後なのかな?って思うとやっぱり変な感じだなー。
これでもう柳瀬くんとは関ることはなくなっちゃうのか。
「あ、あのさっ」
柳瀬くんと視線が重なる。
「なに」
「明日、私来れないかも」
「了解」
表情一つ変えずにそういう柳瀬くん。
もしかしたら止めてくれたりする?とか思ったけど…意外とあっさりだなー。
まぁ柳瀬くんからしたら邪魔なだけだしね、あはは。
ガタッ
急に柳瀬くんに手を引っ張られて、わたしは台の下の狭い空間に落ちる。
そこを柳瀬くんが蓋をして光が遮られ、少し暗くなる。
「や、柳瀬くん?」
柳瀬くんは右手で台を掴んで体をわたしの方へかがめてくる。
近づいてくる顔。
え!柳瀬くん⁉︎
わたしは目を瞑っていた。