狼くんとの放課後図書室



次の瞬間、ぞろぞろとクラスの女子たちが集まってくる。





「鈴村さんさー、人の彼氏狙うとかー本当最低だよね〜」





え…⁉︎





「ほんとそれなー!」






女子たちが話を進めていく。






時々混ざる笑い声。






その全てが私の視界を歪めていく。






「わたし、狙ってなんかない!」






すると1人の女子がスマホを取り出す。





そこには私が中島くんに壁ドンをされている写真が。




何もいえなかった。





ここで私が弁解したところで、どうせ信じてもらえないから。





雨の音だけが響く。





わたしは初めて1人ぼっちの1日を過ごした。





帰り道も1人だった。





いや、1人じゃなかった。





わたしは一人で傘をさして帰っている時だった。





ドンッ





ドカッ





「やっだー、ぶつかってきたんだけど〜目ないのかな?もしもーし?あれー返事がないなあどうしたのー?(笑)」






思いっきり水たまりに沈むわたし。

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