狼くんとの放課後図書室
でも…いま無性に好きって言っちゃいそうで。
我慢しないと…。
好きって言ったらなにか変わっちゃいそうで。
私のこの初恋が終わってしまう気がした。
すきって言う2文字を言うのは本当に簡単だけど、わたしはそのあとのごめんの三文字が1番怖いよ。
「だって!わたしはっ皆んなみたいに強くない
から!」
泣きながら…ほんと子供みたい。
「え⁇鈴村?」
わたし、声に出しちゃった。
「強くないから、1人じゃダメなの。柳瀬くん ……今日で最後だなんて言わないでよ!」
目を大きく広げる柳瀬くん。
長い沈黙が走る。
「俺たち同じクラスじゃん?いつでも話聞くからさ、」
話しかけれないし。
でも、これ以上困らせるわけにはいかないから。
「うん」
それから3日後。月曜日。
わたしは1人で図書室にいた。
誰もいない静かな静かな図書室。
静かな…のはいつものことか(笑)
右を見ても、誰もいない。
私はリュックから課題の英語のノートを取り出す。
パラパラとめくっていると、夏休み前のはじめて委員会した日に柳瀬くんが教えてくれたときの文字を見つける。