狼くんとの放課後図書室



「んー……付き合ってるんじゃない?」





あっさりと放たれるその言葉。





「え?」





あー。私たち付き合ってるんだ。





ってことは柳瀬くんも私のこと好きっ––––?





「聞いてない」





「は?」





何がだよって顔で私をみる柳瀬くん。






「ずるい‼︎私しか言ってない」






すると柳瀬くんの顔が近づいてくる。






"「好きだよ。俺は雫良と出会った日から」"





耳元で呟く柳瀬くん。



 

俺はって、、、出会った日から?






「なんか、ずるい」






「なにがだよ!どうした今日なんかすごいぞ?(笑)」




そうこう話しているうちに私たちは丘に着く。





ついた頃には雨は止んでいて、私たちは2人ベンチに座る。





ゆっくりと左手が大好きな人の手に包まれる。





やっぱり私たちは沈黙だけど、その見つめる景色には綺麗な虹がかかっていたんだ。






「なあ、もう離れんなよ」






「うん!柳瀬くんも離さないでね」



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