狼くんとの放課後図書室
なにあれ。詩優、わたしにだけ素でいてくれてると思ってたのに。
詩優は満面の笑みでその、小城先輩とやら人から水をもらう。
「帰ろうかな」
本当はわたしの彼氏!とか言いたいんだけど、地味とかあの先輩との方がお似合いだとか言われると言えるわけもない。
あの美男美人に比べたら私たちは美男微女だろう。
わたし自身も可愛いくて女の子らしい小城先輩に勝てるわけがないと思ってしまった。
はあ。私は本当に詩優の彼女という立場にいてもいいのかな。
もし、もしも小城先輩が詩優のことを好きになって猛アタックしたとしたら?
落ちちゃうよね。
はぁ……憂鬱。
少しずつ長くなっていく影をまた追いかける。
今日は長い夜になりそうだな。
そしてまた太陽が昇り1日が始まる。
教室に行くとるなとふーちゃんとちーちゃんが今日も寄ってきてくれた。
「おっはよーう!しずりん‼︎」
片手を上げて私の机を囲んでくれる。