チョコレートとコスモス


路地をスルスルと抜けていく。
sunriseまであとわずか。

…もうあと手前の角を左に行くだけ…っと。

そう思って携帯をカバンから手に取る。
【着いたよ】と連絡を入れるために。
曲がった直後後ろから声がした。
掠れるような、濡れているような…艶やかな声。

ああ…ヤってるな

あまり来ない人通りで、たまたま人が来たことで
興奮した女が声を抑えられなかったのか。
…はたまたわざと声を出したのか。
そんな事はどうでもよかった。


「ハツネ」


艶やかな声に、聞き覚えのあるということを感じるまでは。
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