学園ガーディアン
2
入学式当日の日に皆月さんに告白を受けた
だが私は断った
すると
「諦める訳ねぇから〜」
と言われてしまった
そして今日、校長から呼び出しを受けた
私の力を唯一知っている校長
私は校長室の前で呼吸を整える
そして中に入った
「失礼します」 
一礼して校長を見ようとすると驚いた声がした
私は勢いよく顔を上げると皆月さんが立っている
「………校長、どう言うことかご説明を」
「何々、君たちのことを互いにと思ったのさ」
(困りましたね…) 
私はソファに座り、校長の話を待つ
「彼もまた、能力者なのだよ」
「て事はみーちゃんも?」
私は静かに頷いた
校長はそれぞれの互いの能力の説明をしてくれる
私は黙ってその説明を頭の中に入れた
それも同様で皆月さんもだろう
「成る程」
私は頷き、校長を見つめる
校長は頷き微笑むと
「よって、二人にガーディアンになって貰いたい」
私は手を上げて質問をする
「失礼ながら、それは必要でしょうか?」
「勿論、君たちが必要なのだよ」
校長の言葉に嘘の匂いはしない
私は再び黙り込む
そして
「わかりました、受けましょう」
「俺もいいよ〜みーちゃんがやるなら〜」
校長に頭を下げる
校長室を出て静かな時間が流れた
私は考え事をしていて早足になる
その私の腕をしっかりと強く握る皆月さん
「怖い?俺のこと」
「いえ全く怖く無いですよ」
皆月さんは顔を上げる
けれど不安な顔をしていた
私は逆に質問をする
「皆月さんは私が怖いですか?」
皆月さんは首を思いっきり振る
「それが答えですよ、まぁ友人なので」
それを聞いた皆月さんは私に抱きついた
「あは、ありがとう」
そんな皆月さんを放置して自室へと入る
皆月さんは自然系を操れるのだ
私は触れたものを自由に創り出せる
そう考えれば最も恐ろしいのは人では無いか?
私はぐったりとしているのに勉強を始める
気がつけば翌日の休日になっていた
私はせっかくの休日なため
図書館兼本屋の場所に来ていた
体術は全て習得しているが念のため鍛えておこう
図書館で数冊本を買い、学校へと戻る
学校のジムへといくとやはり混んでいた
「今日の予定はこのくらいです」
自分の作ったメニューを渡してクリアしていく
ボールでバランスを取った後、ランニング一時間
腹筋背筋を五十回
タオルで汗を拭き、空になったペットボトルを捨てる
自室でもお風呂に入り、ドレスの仕上げを始めた
その時
扉をノックする音がした
「入るよ」
扉を開けて入ってきたのは皆月さんで私のベッドに倒れる
「如何なさいましたか?」
「ん〜、疲れた〜」
綺麗な髪の毛もボサボサになっていて相当きているのだと思った
明らかに疲れているのに笑っている皆月さんに毛布をかける
「寝ててください」
「え〜」
私は溜息を吐きながらもベッドに腰掛けてポンポンとリズム良く皆月さんのお腹を叩く
流石に子供っぽいが私はこれで安心する
ほら、寝た
私は一安心してドレスを仕上げる
「ん〜…」
心地よさそうに寝息を立てている皆月さんは年相応だと思う
いつも明るくて泣かない
だけど本当は苦しいのに
そんな事を考えていると寂しくなり近くによる
そっと手に触れると握られた
その温もりにクスリと笑うと私も夢の中へと旅立つ
゚+o。◈。o+゚+o。◈皆月和歌
目が覚めたのは丁度みーちゃんがドレスの仕上げが終わった頃
不意に手を触られてびっくりしたけど握り返す
すると笑い声が聞こえて寝息が聞こえてきた
しばらくして俺は起きて両手で軽々とみーちゃんを抱き寄せる
暖かくて俺の香水のミントの匂いがした
「あは、油断しちゃいけないよー?」
みーちゃんの頬を軽く突く
そして優しく額にキスをする
ねぇ、みーちゃん
もっとみーちゃんのこと知りたいな
もっと仲良くなりたいな
過去のこともいつか教えてね?
俺も教えるから
゚+o。◈。o+゚+o。◈。皆月和歌 

ふわりと頭を撫でられる
心地が良くてとても良い
「ん………」
「あ、起きた〜?」
思考が止まる
何故私は皆月さんに抱き締められる事に?
私は戸惑いつつも
「おはようございます」
と挨拶をした
「おはよう〜」
クスクスと笑う皆月さんに私はベッドから降りようと手すりに手をかける
「ねぇねぇ!和歌って言って」
「え?和歌さー「さん禁止〜」」
私は突然どうしたのかと心配しつつも承知した
「では和歌と呼びますね」
「はーい!」
まるで本当に高校生なのかわからない
クスクスと互いに笑い合う
けれど私は気づかなかった
この学校に人ならざるものがいることを
◇◆◇
夜が明ける頃
私は汗を流そうとジムへときていた
鍛えていると何か割れる音がする
「グルル」
低い唸り声に私はとっさに身構えた
手袋を片手外し、武器を作る
この気配からして人ではあるが人では無い
矛盾の人
ピタリと足音がする
そして現れたのは一匹のドラゴン
「へぇ、良い女がいるじゃん」
「何者でしょう?」
確かに人の気配はする
少しはする匂いからわかるのは
「黒木さん?」
確か同じ教室の黒木辰
ヤンチャな性格から不良と呼ばれていた
「ご名答」
私は笑っている黒木さんに一息つく
「最近多くの怪我人を出しているのは貴方ですか?」
「当たり前だろ?」
さも当然のように
大胆に言うあたり流石としか言いようがない
私は床に剣を突き刺し、黒木さんを見つめる
黒木さんはピクリと動きを止め、こちらをギロリと睨んだ
「あんだよ、俺を倒すって?」  
「そう捉えていた方が後ほど楽ですよ」
「なら殺してやんよ!」
翼を広げて威嚇して来る黒木さんの手を斬り払う
この剣は人には害はなくあるのは悪をしたものだけ
「焼ける!熱いー!」
「それが貴方の罪の味だ」
私は軽やかなステップで攻撃を交わす
だがおかしいのだ
普通のドラゴンは尻尾を使う
そう思っていた刹那吹き飛ばされ器具に背中を打ち付ける
「くっ…」
私はよろけながら剣を突き刺した
「俺は強くなりたいから!」
「怪我を負わせることが強さですか?」
ピタリと動きを止めた黒木さん
黒木さんは涙目で首を振る
「違う」
「でしょう?」
幼くなった小さな黒木さんを抱き締める
そして黒木さんを部屋まで送り
「今後は人を守ることですよ?」
「はい!」 
私も黒木さんの部屋から自室へと向かう
だが
腰から背中がすごく痛い
自分の力では治せないから非常に厄介だ
やっとの事で部屋に着くと誰かに支えられる
顔を上げると和歌がいた
珍しく怒っている和歌に息を飲む
説明を細かくして落ち着かせると和歌は黙り込む
「取り敢えず手当て」
背中に感じる暖かさと傷の癒える感覚
私は和歌に礼を言う
すると
「今度から俺も一緒ね」
「え?」 
「ね?」 
「はい」
心配で不安だったのだろう
私は和歌の頭を撫でる
友人として情けない
でも何故だろう
貴方じゃなくて良かったと
思う自分がいたのは
胸の中にだけ
秘めておこう
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