男の娘の名探偵、シャルロッテ・ホームズ
聞き込み
「今まで誘拐された女性のデータってある?」
翌日の朝。
シャルロッテたちは、レイモンド警部に連れられてロンドン警視庁まで来ていた。
「……ちょっと待ってて。調べてくる」
レイモンド警部は、そう言ってどこかへと走り出す。
少しシャルロッテたちが待っていると、1枚の紙を持ったレイモンド警部がやって来た。
「ごめんね。こっちの都合で、名前しか見せれないから、まとめてきた」
そう言って、レイモンド警部はシャルロッテに紙を渡す。
「……よし。こいつらの家族に聞き込みに行くか」
シャルロッテは、紙から顔を上げると微笑んだ。
シャルロッテとハルは、別々に行動することになった。
シャルロッテは、レイモンド警部の車から降りた後、茶色の帽子を被り直して、深くため息を付く。
「ハル、1人で大丈夫かな……あいつ、過呼吸になりやすいから……」
そんなことを呟きながら、シャルロッテは被害者の家に向かって歩く。
「……と、ここか」
家を見上げてから、シャルロッテはチャイムを鳴らした。
『はい』
「すみません。探偵のものですが、お話をお伺いしたくて……」
『分かりました。少々お待ちください』
シャルロッテは、ハルに対しての不安をかき消すかのように空を見上げた。