男の娘の名探偵、シャルロッテ・ホームズ
「情報は、これだけか……」
聞き込みを終え、ロンドン警視庁に戻ったシャルロッテたちは、情報をまとめていた。
「いや、これで十分だよ」
ニヤリ、とシャルロッテは笑う。
「恐らく誘拐犯は、ここのお店の店員さんだ」
どこからともなく地図を取り出したシャルロッテは、とあるお店を指差した。
「そこって、最近オープンしたカフェだよね?」
「そうだね。でも、誘拐される日、誘拐された人は、この店に寄ってるんだ。おかしいとは思わない?」
「確かに……」
「なら、確かめに行くか」
シャルロッテの突然の言葉に、レイモンド警部とハルは驚く。
「確かめるって、どうやって?」
ハルの問いかけに、シャルロッテは「実際に誘拐される」と微笑んだ。
「……誤解される言い方だから言い換えるけど、誘拐される直前まで持ってくんだ。実際に、女装して……ね?」
予想外のシャルロッテの言葉に、レイモンド警部は「おいおい……」と苦笑する。
「誘拐犯は、可愛い女の子が好きだと見た。話を聞く限りだとね」
「そんなことまで聞いてたの?」
「聞いたよ。犯人が、どんな感じの女の子を好きになるのか知りたかったから……」