❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
彼女はずっと友達と一緒に初詣に行く事がなく、更に、お見合いしてから、幸せになれるようにしたい。そう思っていた。初詣は―――その年に、良い事があるように、一番最初に祈りに来る。夜中にいく人と、新年の挨拶をしてから、行く人もいる。初詣はカウントダウンの他に、除夜の鐘を叩く。除夜の鐘はお寺にあり、神社にはない―――。彼女は除夜の鐘を突くのをしたい――――。
そう思っていた。だから、お寺に行く事にし、神社は行かない事にした。それが、初詣でもある。
『―――お・・・君、彼女連れ?名前・・・なんていうの?こいつより、面白い事をしてやるから、付いてきなよ・・・こいつ・・・如何にも、間抜け面してんじゃん?』
突然、ナンパされ、彼女は無表情を浮かべた。それから、彼女は『―――どいて・・・』と叫ぶと、一発男の急所に足をぶつけた。彼は情けなく、『―――ち・・・畜生・・っ・・・』と悲鳴をあげ、そのまま逃げて行ってしまった。情けない―――彼女はそう吐き捨てた。
『―――御前・・・強いな・・・』
『―――あら・・・截拳道の使い手よ。貴方は・・・空手でしょ?貴方には・・・まだまだよ。』
彼女は近くの道場で、ジークンドーを習っており、かなりの使い手でもあり、女すら叶わない。
ジークンドーはブルースリーの扱っていた武術で、かなり古い技がある。
空手は誰でも扱える事もあり、彼女は空手が得意な彼と、一発コンビネーションしようと思った。
ナンパ野郎はあっさりと逃げていき、『―――情けないわ・・・逃げるなんて・・・』と構えた。
その瞬間、ナンパ野郎は彼女の武術で、伸びてしまった。
―――こいつ・・・
めちゃくちゃ・・・強い・・・
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