❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
―――
―――今、二人は起き上がり、朝ご飯を食べる事にした。彼女は赤いコートを欲しがっている。赤いコートは、最近、人気があり、黒いブルゾンも気に入り、冬には沢山、羽織っていた―――。
赤いコートは二万円であり、早く行かないと、売り切れてしまう代物で、とても人気がある。新年は―――年明けに、四日に、温泉に行く事になり、彼女はめちゃっくちゃ燥いでいる。一年の計は元旦にあり―――良く、母親が口ずさんでいた。彼女は楽しい一年にしたいし、ベーカリーも売れるようにしたい。更に、智也と仲良く生活を営んでいきたい。そろそろ、子供も欲しい―――。だけど、自分から言うのは恥ずかしく、悟ったように、智也から言ってきた―――。子供を育てるのは、とても大変だが、それが人生であり、幸せに繋がる。赤ちゃんは可愛いだろうな―――智也に似たら、イケメンに育つかな。私に似たら、頑固者になるかな?―――でも、それが生き甲斐だ。
『―――智也・・・貴方は・・・私の事・・・どのくらい好きでいてくれてるの?愛してくれているの?』
そう問い質すと、彼は吃驚すると、『―――御前・・・分からないのか?』と返って来た―――。
彼は丁度、車を止め、彼女に口づけた。彼は真面目に見やると、『―――言葉じゃ・・・足りないのか?』と言った。其の言葉に、彼女はじわっと涙を浮かべた。
『―――だって・・・最近、貴方・・・何もしてくれないからじゃないけど、御金遣いに見えるの・・・私は・・・セフレなの?慰安婦なの?私は・・・貴方の奥さんなのに―――。』
彼女は不安だった―――どうして、人はすれ違うのか。それは自分達の気持ちを言わないからで、彼女ははっきりと聞いてきた。
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