❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀

『―――お前は・・・美人で器量が良く、一生懸命だ。そんな事、なくても良いから―――最初に会った時から、一緒に居て欲しい―――そう思っていた―――。御見合いの時、俺はお前が良い―――そう思った。だから、選んだ。お前は―――俺の理想とかけ離れているが、心優しい。だから、ずっと一緒にいたい―――そう思った。』
その言葉に、菜緒はドキリとすると、『―――じゃぁ・・・私の事・・・ずっと愛してくれる？』と問い質した。その言葉に、彼ははっきりと頷くと、一緒に車から降りると、彼は菜緒の側に行き、手を差し出した。彼女は智也らしくない行動に、吃驚したようにみやった。それから、智也は『―――行こう・・・』と言った。差し出すと、彼女はニコッと笑い、手を差し出すと、繋いだ。
二人はお寺に行くと、除夜の鐘がゴーンっと、響き渡り、御賽銭にお金を投げる行列も出来ており、屋台の行列も出来ていた。彼女は一緒に並ぶと、先ず、御賽銭に並んだ。更に、家内安全の御札も交換する事になっており、二人はそっちも並ばなければならない。ずっと家内安全であるように―――そう意味を持ち、二人は賽銭に並び、順番を待った。彼女はセーターに黒いズボンの姿―――とても似合い、姉系のファッションで、今風である―――そう思っていた―――。其の時、川野麻衣と、川野裕也と、知らない女性と、皆口廉也と偶然出くわした―――。四人でおり、ひょっとすると、ダブルデートってやつ？
『―――あら・・・麻衣と廉也と、お兄様と・・・貴女は・・・誰？』
『―――あの子・・・誰だ？』
二人は吃驚したようにみやると、彼女は『―――この人達・・・誰なの？貴方のお友達？』と聞いてきた。川野裕也の彼女らしい。