❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
『―――あぁ・・・こいつらは、俺の友達と言うか、兄妹だな・・・否、血は繋がってないが。偶然だな、お前等も此処にお参りか?―――お前等・・・本当に・・・羨ましいカップルだな・・・何事もないように、一緒にいるのが羨ましい・・・』
その言葉に、お前が女性同伴なのが、珍しい―――俺はそう思うよ―――皆口廉也の冗談が聞こえる。腹立たしい。こいつ―――。廉也はニヤッと笑った。彼女は顔を見合わせると、『―――じゃましちゃうと駄目だし・・・一緒に行きましょう・・・』と皆口廉也の彼女―――山口薫という。
薫の言葉に、他のメンバーは顔を見合せた。すると―――彼女は『―――行こうよ。』と言った。
『―――貴女・・・私の事・・・睨んでいるけど、何?どうしたの?』
薫は鋭い目付きを向けると、彼女は『―――別に・・・貴方の服装が気に食わないだけよ・・・私なんか、お洒落したくても・・・お金がないし・・・買って貰う事しか・・・出来ないんだもの。』
二人はその言葉に、吃驚したように見やると、目を瞬かせた。菜緒は薫の目つきをみると、智也はクスクスと笑った。丁度、自分たちも同じ話をしていた―――そう言った。だけど、彼女は言い張った。
―――良いのよ・・・服なんて・・・裸になれば、皆、価値は同じだって・・・何処かで、聞いた事あるわ・・・
『―――え・ぇぇ・・・そうね・・・』
―――確かに―――
―――友達に、なりたかった。
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