❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀

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―――それから、動物たちを家に連れて帰ると、二匹にキャベツと犬用の餌をあげる事にした。兎はキャベツが良いらしく、犬には餌を―――祖母の家では、豆しばではないが、ポメラニアンを買っていた事があり、ポメ・ライムと名付けていた。自分達で作った人間用の餌を与えていた。この餌なら、ポメ・ライムも食べてくれるし、健康に遊び歩いて行けるだろう。そう思っていた。菜緒はポメ・ライムと名付けると、お散歩に付き合ったり、ボール投げをしたり、ポメと遊んでいた。
ポメは柴犬カットの毛ぞろいで、とても可愛く、家の中で、祖父母たちが世話をしてる所だった。
『―――貴方・・・ミルクがいて・・・良かったわね・・・華子もいるし・・・』
祖父が自分の―――菜緒の頭を撫でながら、こう言っていた―――。随分、前の事―――。
『―――菜緒・・・お前の可愛がっていた犬が、死んじゃったよ・・・俺・・・初めて、動物買って・・・命の重さに気づいた・・・ボロボロ泣いちゃったよ・・・』
其の言葉を思い出すと、祖父はポロポロと、泣いていた。祖父の泣き顔は―――見た事なかった。
子の時、初めて、祖父の泣き顔を見て、自分も釣られて泣いてしまった。ごめんね、ライム。それから、祖父母は動物を飼う事を、辞めてしまい、何処からか、貰う事もしなくなった。智也はそれを―――生き物は、皆そうだ。御じい様もいつか死ぬし、俺だって―――いつか、死ぬ時がくる。
『―――可哀想だ・・・見てられないよ・・・』
『―――ライムは・・・家の北に、埋めたけど、時々、夢に出てくるんだ・・・助けて、助けて―――死んじゃうよ・・・』
―――ごめんね・・・ごめんね・・・