❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀

―――それから、二人は犬と兎の―――華子とミルクを、家に連れて帰る事にした―――。家に連れて帰ると、二匹は籠から出され、ぴょこんとミルクは跳ねており、華子もパタパタ駆けだした。動物たちを見ていると、こっちも癒される時があり、まるで大家族の仲間になったようだ―――。
可愛い動物たちを可愛いがるのは、まるで―――子供を見ているようで、とても癒される―――。それに―――動物達は、家族を守ってくれる時があり、彼女達は―――大事にしようとした。ベーカリーのパンを食べやすいように溶かし、犬にあげようと思った。兎に―――キャベツをあげる。山瀬紀彦は―――彼女の祖父で、かなりの犬好きで、とても可愛がいた。ポメラニアンだーーー。ポメラニアンーーーある日、祖父が泣いている、夢を見た。其処には、罪悪感に苛まれている、祖父の姿があった。
『―――どうして・・・どうして・・・お前は、死んじゃったんだ・・・何故、俺たちを―――。俺たちを庇って―――。』
其の言葉に、彼女はじわっと涙を浮かべると、『―――御じい様・・・余程、犬が好きだったのか・・・』と、涙がポロポロと、止まらない。ポメ・ライムはとても好きだった。一緒に居たかった。ポメ・ライムは一度、菜緒がが車に引かれないように、自分が身を挺して、守ってくれた。だけど、何故か、このポメライムは、死んでしまった筈なのに、動いて元気に目の前から、消えた。彼女は―――所謂、見えるという奴で、犬の幽霊を見やった。他の人には、見えなかった―――。
一の間にか、自分の前で吠えており、触ろうとしても、全然、触れなかったのを、覚えている。だから、ずっと好きな犬だったから、家族全員-――泣いていた。可哀想なことをした。
祖父が―――一番、泣いていた。