❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀

第四章-――子供―――

―――
―――あれから、九か月が経った―――。あれから、彼女のお腹が大分膨れており、もう直ぐうまれる筈だ―――。丁度予定日であり、彼女達はそろそろ来る頃だ―――そう思っていた―――。
だけど、彼女は産まれる命を守るために、休む事になった。まだ二人は眠っている途中だった。
今、彼女はスヤスヤと眠っており、彼に抱き込まれていた―――。彼女は眠っていた―――。
今、夢を見た―――自分たちが『川野麻衣』と、二人で堂々としている夢をみてしまった。
裸にペインティングするショーに出てしまい、智也にかなり怒られてしまった―――。
彼女は一生懸命に専門家の女性に、ペインティングを落として貰った。大変な作業で、時間が掛かった。彼女はこんな夢を見ると、パチッと目を覚ました―――。
お腹の赤ちゃんも、元気の様子で、ポン、とける振動がきた。もうそろそろ産まれるだろう。
彼女は綺麗な女の子に育って欲しい―――。美人に育ち、いい子に育って欲しい―――。
彼女達は元気が良く、また―――トン、と足でけっている。ずっと一緒に暮していける―――。
子供は元気が一番であり、二人で育てていけるように、母親たちは見守っていく―――。
彼女の両親と智也の両親はとても楽しみにしており、幸せな家庭が築ける―――そう思った。
『―――早く・・・産まれないかな?―――』
菜緒はそう呟くと、智也は寝返りを打ち、彼女の顔の近くに、唇があった―――。彼女はドキドキすると、思わず口づけをしようとした―――。
彼はゆっくりと目を開けた―――。
―――起きなさい―――
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