❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
―――そんな中、彼女は智也に御粥を作ってもらう事になり、鰹節とみそ汁を頂く事にした。御粥は佃煮も入れ、とても美味しく出来た。味噌汁も栄養を付ける為に、子供の為に、飲ませていた。
子供はどうやって産まれるのだろう。初めてのお産だから、とても不安になってしまった―――。
だけど、智也がいるから、心配いらない―――そう思ってしまった―――。
子供の為に、家族の為に、漸く孫を見せられる―――。孫を見せる事は、とても喜ばしい―――。
『―――貴方達・・・良く、此処まで頑張ったわね・・・』
『―――お母様・・・お礼を言うのは、まだ早いですよ・・・』
遊びに来ている互いの両親がおり、そろそろかと、待っていた―――。彼女は今、御粥を頂いている。御粥に塩を混ぜると、鰹節と佃煮を混ぜ、彼女に食べさせた。子供に栄養を与える為―――。
『―――貴方達・・・私たちも・・・病院に行くから、産まれるのが楽しみよ。子供が産まれるのは、嬉しい事だよ―――。』
彼女は眼を丸くすると、智也の母親に抱きしめられた―――。自分の母親は『―――強くならないと、駄目よ―――母親は簡単ではない―――子供に教育をするのよ?あんたに出来るの?―――』と吐き捨てた。彼女はくッと悔しそうに見やると、『―――できるわよ・・・お母さんこそ、私を産んだのよ?何故―――そんな事を言うの?酷いわ・・・孫の顔を見たくないの?―――。』と言った。彼女は『―――まぁまぁ・・・貴方達・・・喧嘩しては駄目よ?家族になるのだから。子供とも喧嘩をしていると、離婚する羽目になるわ。』と言ってきた―――。
『―――私達・・・結婚したんだけど、離婚してしまってね・・・喧嘩別れで出て行ってしまったけれど、麻衣を施設から引き取るしか、無かったのよ―――。』
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