❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀

第五章-――バレンタイン――

―――
―――あれから、一月が過ぎた―――
優子と茉莉は―――とても元気で、来年、一歳になる所である。一緒に連れて行きたいと、思っていた。優子と茉莉は一歳になり、少し成長していた。彼女達は歩く事が出来るようになったり、チョコレートを与えると、味見させた。チョコレートを作り、溶かしたショコラを、双子に与えた―――。更に、彼女達は―――貴女・・・お腹大きいけど、子供いるの?―――皆口廉也と山口薫に問う。皆口廉也と山口薫は、とても元気で、今川紗枝の彼氏も、今、可愛い赤ちゃんを、遅ればせながら、見に来てくれていた。御見舞金も十万もあり、智也と菜緒は吃驚仰天であった―――。こんなにくれるなんて、本当に良いのか―――菜緒の御じい様からも、百万円が届いていた。この使い道を、子供に与えてくれ。もう少ししたら、見に行くからな。祖父は菜緒に、そう言った―――。此の子達は―――御前にとって、掛け替えのない存在であり、生き甲斐になる事もある筈だ―――。
『―――ありがとう・・・御じい様―――貴方の孫で・・・良かった―――。』
其の言葉に、涙がポロポロと流れ落ち、菜緒は―――ありがとう―――貴方のひ孫ですよ?―――抱いてごらんなさい。彼女は満面な笑みを浮かべると、『ーーー大事に使わせていただきます。』と言い、山瀬紀彦はとても元気に笑い、『―――よし・・・どれどれ・・・』と、先ず、優子の方を先に、抱きかかえた。彼女は今、スヤスヤと眠っており、御じい様は、泣いていた。
『―――こんな気持ち・・・いつ以来だ?』
―――お前の母親が、産まれる時と同じ―――大事にしろ―――
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