❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀

『それに―――貴方・・・そのお金は・・・何処から持ってきているの？お店のお金・・・使ってないわよね？』
其の言葉に、智也はムッとすると、『―――どういう意味だ？』と、怒鳴り散らしそうになった。
前に、御じい様からお金を借りたし、自分に電話させたし、やっぱり金目当てだったのか―――。
『―――貴方・・・お金・・・そんなに持ってて・・・何かしているんじゃないの？』と問うた。
『―――何を言っているんだ？前にも言っただろう、お前の為に、使っているだけだと―――。』
其の言葉に、彼女はムッとした。
『―――あら・・・貴方は・・・お金じゃ買えない事を、知らないのね？お金じゃなくて、目に見えない―――愛情というものがあるのよ？貴方は―――それを、分かっていないのよ―――。』
其の言葉に、智也はキキィっと、慌てて急ブレーキを踏むと、だーんと、ぶつかってしまった。
彼女はエアバックで助かり、彼も助かった。菜緒はそう思い、彼の方に見えた―――。彼は手の中に、大事そうな、指輪を手に入れようと、していたことが分かり、菜緒は『―――起きて・・・起きて・・・』智也を起こそうとした―――その途端、手に真っ赤な血が付いており、菜緒は『―――何？なんで？智也―――。』
―――何・・・これ・・・全然、動かない・・・
―――智也―――
智也―――
彼女はそのまま気を失ってしまった。彼は刃物が首に刺さり、ダラダラと出血していた―――。智也は救急車で運ばれると、菜緒も救急車に運ばれていった。